本記事について
本記事ではバイク乗りで行政書士の岡部が、バイクの登録手数料と改正行政書士法の関係について解説します。さらに総務省の見解を紹介し、最後に岡部自身の考えを述べるものです。
バイクの登録手数料について
登録手数料はバイク業界の長年の商慣習です。多くのバイク販売店では車両価格とは別に登録手数料や登録代行料などといった名目で料金を請求し、バイク屋側で書類作成と登録手続を済ませたうえで、お客様に納車します。例えば某大手バイク販売店で、排気量250㏄のバイクを購入する場合は19800円の登録手数料が必要になります。一見なんの問題もない手続ですが、いったい何が問題になるのでしょうか?
行政書士法と改正(2026年1月1日施行)
この手続が問題になりうるのは、行政書士法という法律があるためです。
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署(行政)に提出する書類を作成するとされています(改正前行政書士法1条の2第1項)。そのうえで行政書士又は行政書士法人でない者は、総務省令で定める例外を除いて業としてこれらの業務を行うことができない旨を規定しています(改正前行政書士法19条1項)。この規定に違反すると、1年以下の拘禁刑又は50万円(改正後は100万円)以下の罰金に処するとされています。(改正前行政書士法第20条の2)。
さらに2026年1月1日施行の改正行政書士法19条1項では、「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されています。これにより、書類作成の名目を変えることで行政書士法違反を回避することはできないということが法律上明確化されました。加えて違反した場合の罰金額が「50万円以下」から「100万円以下」に増額され、違反した本人だけでなく、所属する法人も罰されるようになりました。
<参考> 行政書士法(2026年1月1日施行)
https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000004/20260101_507AC1000000065
前述のとおり、一般的にはバイク屋がお客様に代わって(他人の依頼を受けて)、登録手数料として有償で(いかなる名目によるかを問わず報酬を得て)登録のための必要書類(提出先の運輸局は官公署)を作成しています。行政書士法を素直に読む限り、現在バイク屋が行っている登録代行は、行政書士法に違反するものであるといえます。
運輸局・総務省の見解は?
上記の点を確認するべくまずは福岡運輸支局に確認してみました。担当者の方によると行政書士法改正によって現場の運用が変わったり、新たに取締がなされることはないそうです。また行政書士法の所管は総務省とのことなので、総務省に問い合わせるように促されました。
そこで総務省の行政書士法の担当者の方に確認しました。改正行政書士法の「いかなる名目によるかを問わず」の文言の追加は、行政書士の業務範囲が変わるものではなく、行政書士の独占業務の範囲を明確化する趣旨のものであるとのことです。一方で総務省としても、バイク業界のグレーな登録手数料の問題は把握しており、行政書士法改正をきっかけに業界団体によって改善される可能性があるとのことでした。
岡部の見解
私としては、行政書士法改正後すぐにバイク屋による登録手数料の請求が違法なものであるとして、行政処分や取締がされる可能性は低いと考えています。バイク業界では書類作成を含めた登録代行と登録手数料の請求は長年行われてきたことで、今さら規制する必要が乏しいうえに規制による混乱が生じる恐れがあるためです。また私は行政書士法改正を推進した行政書士会側として、バイク屋の登録手数料の問題を念頭に置いていないのではないかと考えています。
個人的な見解ですが今後行政書士会が関与せず、業界団体だけで自主規制がされる可能性は低いのではないかと思います。現在多くのバイク販売店では、登録手数料の請求を前提とした車両価格の設定を行っており、行政の取り扱いが今まで通りである以上はあえて変える意義が乏しいためです。
さいごに
さいごまで読んでいただきありがとうございます。私はバイクによく乗っており、バイク屋で購入することもあるので今後の動向を注視することにいたします。行政書士岡部事務所では他の記事もアップロードしていますので、もしよければご覧ください。
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